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介護士にとって必要不可欠な仮眠、睡眠の構造から見る理想的な仮眠をとるコツ

2020年4月21日 コラム

介護士にとって必要不可欠な仮眠、睡眠の構造から見る理想的な仮眠をとるコツ

介護士にとって避けられない夜間勤務ですが、この夜勤が、さまざまな利用者に細やかな気配りと医療サービスを提供しなくてはならない介護士を、心身ともに疲弊させていることは周知の事実と言えるでしょう。

では、この過酷な夜勤を、どのようにすれば睡眠リズムを崩さないように健康的に乗り切ることができるのでしょうか。夜勤では通常、2交替制・3交替制に関わらず1時間の休憩がとれるようになっています。この休憩で、より質の良い仮眠をとることが、疲労とストレスを適切に解消するための鍵となっていることは間違いないでしょう。

 

過労を防ぐ仮眠とは

睡眠は大きく2種類の機能と構造にわけることができます。それは入眠から約90分程度にわたって現れる徐波睡眠と、後半にわたって現れるレム睡眠です。それぞれの機能としては、疲労を回復させる徐波睡眠、ストレスを解消させるレム睡眠に大別することができます。

短い睡眠でもとりやすい徐波睡眠によって一時的な肉体の疲労は比較的解消しやすいと言えるものの、悪質な睡眠は後半のレム睡眠を損ないやすく、常態化すると精神状態に多大な悪影響を与えます。睡眠時間自体を確保するだけでなく、このレム睡眠をきちんととるように心がけることで肉体的な疲労だけでなく、労働による情動ストレス等を解消することが可能になります。そのためには、レム睡眠の性質を理解する必要があります。

睡眠に関する研究結果によると、レム睡眠の現れ方には時刻依存性があることがわかっています。レム睡眠は、主睡眠をとる時刻に関係なく、現れやすい時間とそうではない時間が存在し、具体的には午前2時から10時ごろにかけて最も多く現れ、その後15時頃まで見られます。また、長い時間おきていると、眠ったときに大量の徐波睡眠が現れてしまうため、短いものであったとしても夜間に仮眠をとり、連続覚醒時間を短くすることが昼間の睡眠により多くのレム睡眠を現れさせることが明らかにされました。

つまり、まずは夜勤時の休憩中に少しでも仮眠をとり、その後交替の日勤者が来た後の朝方から昼間にかけて、少しでも施設で横になることがレム睡眠の時間の確保に繋がると言えます。

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長時間労働、ワンオペなど、問題が山積している介護士の勤務実態

日本医療労働組合連合会が143施設・4,194職員(介護職員はそのうち3,078人)を対象に夜間勤務の実情を調査した結果をまとめている『2019年介護施設夜勤実態調査』によると、夜勤形態は2交替夜勤を採用している施設は全体の87%にも上り、そのうち勤務時間16時間以上の2交替夜勤は72%を占めており、12時間以上の勤務間隔が確保されていない施設は2割存在しました。また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では複数体制をしいているものの、グループホームや小規模多機能型居宅介護施設などの小規模な施設では夜勤職員の1人体制になっています。仮眠室の有無については、約5割の施設が「ない」と回答しており、特に看護小規模多機能型居宅介護施設では9割近くの施設で仮眠室がありませんでした。

16時間の長時間勤務や夜間の1人勤務、12時間未満の勤務間隔といった労働環境にあっては、上記のような仮眠や、休みの日の睡眠すらとることが難しくなってしまいます。ひとりひとりの職員が、自身の健康のためにより質の良い仮眠・睡眠をとることを心がけると同時に、医療施設側も、仮眠施設を設置したり8時間労働の3交替夜勤を採用するなど、職員の健康的な勤務を可能にするべく努力していく義務があると言えるでしょう。

 

『2019年介護施設夜勤実態調査』日本医療労働組合連合会

http://irouren.or.jp/research/kaigo/kaigo-1/