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秋にぴったりの介護レクリエーション

2017年9月27日 コラム 介護レク

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介護施設では毎日のようにレクリエーションが催されています。その目的は体力維持や脳機能の活性化、そして社会的な関係を持ち続けることなどさまざまですが、「季節を感じる」のも介護レクリエーションの目的のひとつです。なぜか季節を感じることが必要かというと、年を取ると今がいつなのか、ここがどこなのかという「見当識」が失われていくからです。これを失見当識といいますが、失見当識の状態が深刻化すると、日常生活を送ることが困難になっていきます。今が春夏秋冬のいつなのか、何月の何日なのかを日常的に意識させるには、レクリエーションのなかにさりげなく四季を入れ込むことが有効です。では、実際には季節感はどのようにレクリエーションを取り入れることができるのでしょうか。ここでは秋にぴったりのレクリエーションについて、事例を挙げて紹介します。

 

①十五夜(お月見)
秋の行事で最も歴史が深く有名なもののひとつに、十五夜(お月見)があります。ひと口に高齢者といっても60代と80代では親子ほど年齢が離れており、介護施設の入居者、利用者が同じ話題を共有できるとは限りません。しかし、お月見であればあらゆる世代の人が楽しめますし、地域の人々との交流の場面にも使えます。お月見を楽しみつつお団子を食べるなどすれば、視覚と味覚の両方を刺激することとなり、見当識を認識するうえでもより効果的です。

実際のお月見をするとなれば施設の都合などで難しい場合もあるかもしれませんが、工作のテーマとして月、すすき、お団子、餅つきウサギなどを取り入れることで十五夜を意識することができます。ちなみに十五夜とは旧暦の8月15日のことですが、これは現代使われている西暦では毎年日付が異なります。たとえば2017年では10月4日が旧暦の8月15日にあたります。

 

②運動会
秋は暑くもなく寒くもない、過ごしやすい季節です。「スポーツの秋」という言葉もありますし、1964年の東京オリンピックが開幕したのは10月10日でした。運動会を秋に行うという学校も多くあるでしょう。確かに、障害者や高齢者の参加を前提とする施設では激しい運動はできません。しかし簡単な動作を中心とした競技でわかりやすいルールづくりを心がければ、介護施設でも立派な運動会ができます。チームに分かれて点数を競えば、ゲームとしての楽しみもいっそう増すでしょう。

たとえば「大玉送り(転がし)」は室内でもできる競技です。いすに座ったまま行うこともできますし、やわらかい素材のボールを使うので安全に実施することができます。他にも、足に引っかけたスリッパを飛ばして飛距離を競う「スリッパ飛ばし」など、座ったまま行うことのできる競技はたくさんあります。

もちろん、施設利用者に参加を強制する必要はありません。しかし、競技に参加することが難しい方にも楽しく参加してもらえるように配慮することは必要でしょう。運動が困難な方には審判や応援に回ってもらうなどの工夫をすれば、より多くの参加者が運動会を楽しめます。

 

③秋の味覚・自然
秋は実りの季節です。「食欲の秋」という言葉もあるように、果物や野菜、きのこ類などが豊富に採れ、おいしく食べられる季節なのです。そこでレクリエーションのなかに料理を取り入れることが効果的です。たとえばお月見用のお団子を手で丸めるだけなら多くの人が参加できますし、個人個人の障害や機能レベルに合わせて参加の度合いを調節すれば、全体として楽しめ、個人の満足度も高いものとなるのではないでしょうか。

また、手芸や工作ですすきやもみじなどの落ち葉をモチーフとした制作を行うこともできるでしょう。すすきの穂は毛糸で表現すると雰囲気が出ます。画用紙をもみじやイチョウのかたちに切り抜いて貼るだけでも作品になりますし、ステンシルなどを使えば、細かい手作業ができない方でも参加できます。

 

④今日は何の日?
現代では毎日のように行事や記念日があります。秋の行事や記念日では十五夜(旧暦8月15日)、体育の日(10月第2月曜日)、ハロウィーン(10月31日)、酉の市(11月酉の日)などが有名ですが、クイズ形式で紹介するならマニアックな記念日、ユニークな由来の記念日などがいいでしょう。たとえば、10月10日は日本記念日協会が制定した記念日が最も多い日で、38件の記念日があります(2016年11月時点)。

(例)
・目の愛護デー:10を2つ横に倒すと眉と目のかたちに見えるから。
・銭湯の日:1010→千と十→せんとお→銭湯のごろ合わせ。
・トマトの日:ト(10)マト(10)のごろ合わせ。
・萌えの日:「十月十日」を組み合わせると「萌」の字になるから。

「10月10日は銭湯の日である。○か×か?」などの○×ゲームにすれば多くの人が参加できますし、由来を聞けばなるほど、と納得できます。準備にそれほど手間がかからず、簡単に楽しめる「今日は何の日?」クイズは、記念日の多い秋に最適です。

秋は過ごしやすい季節でイベントも豊富なので、レクリエーションのしがいがあります。安全面を考えしっかりと準備をして派手に楽しめるものから、あまり大がかりな準備をしなくてもできるものまで、幅広いレクリエーションの中で秋を感じることができるでしょう。参加者の体力や状態に合わせ、日々楽しいレクリエーションをする中で、少しずつ秋を感じることができれば利用者のよい刺激となるはずです。

参考

尾渡順子『みんなで楽しめる高齢者の年中行事&レクリエーション』ナツメ社、2014年

望月修監修『お年寄りに喜ばれる12か月の壁面飾りアイディア』池田書店、2015年

 

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