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保険外サービスの課題は見える化 介護と仕事の両立に活かしにくい実態

2017年5月9日 ニュース 介護一般

保険外サービスの課題は見える化 介護と仕事の両立に活かしにくい実態

高齢者の生活支援において、仕事と介護の両立は大きな課題となっています。両親の介護が必要になる年齢は個人によって異なりますが、多くは40~60代。介護離職者数は毎年約10万人に達しており、働き盛り、役職クラスの人々が、介護のために仕事を諦めている実態があります。

このような現状に対して、高齢者を支える家族は、どのような問題認識を抱いているのでしょうか。日本総研によるWebアンケート調査から見てみましょう。

正規、非正規ともに、介護との両立が難しい実態

アンケート調査が行われたのは2017年1月半ば。対象は、学生を除く全国の20歳以上の男女1,030人。45歳以上、介護が必要な家族と同居、有職者がそれぞれ約8割を占めています。回答者の偏りから、仕事に介護に追われる日々を送っている方々の声が反映された調査だと考えてよいでしょう。

「『仕事と介護の両立』ができていると思うか」という質問に対し、有職者の半数以上は「できていない」と回答。正社員は仕事を優先に考える、非正規社員は介護を優先に考える傾向が見られ、特に女性正社員では、半数近くが「仕事を優先しており、両立はあまりできていない」と答えています。

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そもそもどんなサポートが受けられるのか知られていない

勤務先に求める支援について尋ねた項目では、性別、雇用形態(正規、非正規)の違いにかかわらず、「介護保険制度や会社の制度などについて情報が少ない、取りにくいこと」が最多となっています。

他の質問でも、介護支援制度に関する知識を持っていない人が非常に多いという結果が明らかになっています。公的、勤務先独自の制度にどのようなものがあるのか知らないと答えた人は、全体の50%超。介護を優先している人の割合が比較的多い非正規社員では、傾向がいっそう強く、7割前後となっています。

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保険外では、相談・紹介サービスが高需要

介護のためにどんな支援が用意されているのか、ほとんど知られていない現状は、保険外サービスのニーズからも理解することができます。家族向けの介護相談、仕事介護の両立に関する相談・支援を「利用したことはないが、利用してみたい」と答えた人は、50%を超えています。

これは高齢者向けの保険外サービスと比較しても高い割合で、同じく50%台に達しているのは「緊急時対応・駆付け」「各種相談対応・サービス紹介」のみ。後者は、家族向けでニーズが高かった2種類同様、介護情報に関するものと考えられます。

保険外サービスを利用したいと考えている人の多さも印象的ですが、それ以上に「そもそもどんなサービスがあるのか分からない」という悩みの根深さが際立っています。

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ケアマネージャーも求める保険外サービスの「見える化」

他方、高齢者の家族に対して情報提供を行うケアマネージャーはどのように考えているのでしょうか。日本総研は合わせて同職410人を対象としたアンケート調査を行っており、
こちらでも情報不足に陥ってる状況が把握できます。

ケアマネージャーの54.1%は、仕事と介護の両立のために「家族を支える保険外サービスの充実」が必要と回答。「利用者や家族からの要望があった場合には検討」とする消極的な姿勢も含めると、保険外サービスをケアプランに盛り込み、介護の一助とすることに抵抗のある人はほとんどいないようです。

しかし、「保険外サービスの活用・提案時の課題」として挙げられているのは、上位から順にこの通りとなっています。

  • サービスの価格が高いこと(70.5%)
  • どのサービスや事業者が良質・安全かがわかりにくいこと(64.9%)
  • サービスの情報が足りないため、事業者にアプローチできないこと(37.1%)

最多の価格に関するものを除くと、やはりネックになっているのは保険外サービスに関する情報が出回っていないこと。高齢者の家族、ケアマネージャーともに、保険外サービスの「見える化」が進んでいないことがネックになっているようです。

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