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厚労省、総合確保方針を一部改正 医療・介護の連携に向けた人材、ITシステムの必要性などを強調する内容に

2017年1月19日 ニュース 介護行政の動向

厚労省、総合確保方針を一部改正 医療・介護の連携に向けた人材、ITシステムの必要性などを強調する内容に

平成28年12月26日、厚労省が「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)」を一部改正しました。少子高齢化が進行することで、より一体的な医療・介護サービスの提供が必要になることから、2014年9月に策定されたもの。医療計画、介護保険事業(支援)計画の上位指針にあたり、互いの整合性をとる役割があります。

今回の改正には両計画が平成30年度から新たにスタートすることを踏まえ、方向性の見直しを行う狙いがあるものの、「地域包括ケアシステムの構築」「質の高い医療、介護の実現」「IT技術の活用」といった基本的な方針は変わりません。

そのため、変更前後の文章を見比べても大きな違いは見受けられません。総合確保方針は、どのような問題意識のもと改正されたのでしょうか。

総合確定方針の改正内容

総合確定方針のテーマは、自治体レベルのものから介護・医療分野のあり方に関するものまで多岐にわたります。まずは、高齢者に直接サービスを提供する現場に影響の大きい内容から取り上げます。

医療・介護の連携のために、両分野に精通した人材の必要性を強調

医療・介護サービスをシームレスに提供することは、2025年を目処に構築することとされている地域包括ケアシステムのコンセプトのひとつ。この実現のためには両分野間での緊密な連携が欠かせません。

そこから「医療及び介護の総合的な確保に関する基本的な考え方」という項目において「連携を深めるためには、両分野に精通した人材が必要」などの追記が行われました。ケアマネージャーの資格保有者がこの役割を担うことになるという意見が上がっており、入院時から高齢者と関わることのできる仕組み、人材育成を必要視する向きもあります。

情報共有に適したITシステムが整えられていない現状

医療・介護の両分野が連携するためには、スムーズに情報共有できるシステムが必要です。IT化によりその体制を整える旨はかねてから記載されていますが、今なお、システム間の互換性がないなどの理由から十分な対応が取られていません。

そのため、「情報通信技術(ICT)の活用方法は多様化するとともに、互換性が必ずしも十分に確保されていないという課題もある」と、総合確定方針と現状の乖離を強調する一文が追記されました。

認知症における適切な医療・介護サービス提供の必要性を強調

「医療及び介護の総合的な確保の意義」という項目では、「認知症への対応については、地域ごとに、認知症の状態に応じた適切なサービス提供の流れを確立するとともに、早期からの適切な診断や対応等を行うことが求められている」と追記されました。

策定時から認知症を患う高齢者の増加については触れられていますが、特に医療・介護分野の連携が求められる病気であることから、改めて強調されたかたちになります。

自治体レベルでの動き(高齢者の住宅問題への注力など)

そのほか、自治体レベルの動きでは、以下のような改正がなされました。

  • 縦割り行政の影響で手を入れにくくなっている高齢者の住宅問題に関して、「住宅や居住に係る施策との連携」と記載
  • 医療計画、介護保険事業(支援)計画の整合性を確保するために「関係者による協議の場を設置」するよう明記
  • 地域包括ケアシステム構築の中心になるのは市町村であり、単独で実施困難な取り組みの場合には都道府県が広域的なサポートを行う、と双方の役割分担を明記

団塊の世代すべてが75歳以上を迎える2025年は10年以内に迫っており、医療・介護サービス利用者の急増に対応できる地域づくりが全国的に求められています。今回の総合確定方針で改正された箇所は、いずれも日本の将来を見据えた内容になっており、そう遠くないうちに実際の影響が現れてくると思われます。