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混合介護解禁の対応方針が明らかに 訪問介護にローカルルール撤廃がもたらす影響は?

2018年6月4日 ニュース 介護一般 介護行政の動向

混合介護解禁の対応方針が明らかに 訪問介護にローカルルール撤廃がもたらす影響は?

解禁に向けた動きが進められている混合介護。かねてから法的に禁止されているわけではないものの、曖昧なルールなどのせいで取り組みにくくなっていることが課題視されています。

厚生省、経産省は4月13日、「未来投資会議 構造改革徹底推進会合」にて、混合介護解禁の対応方針を発表しました。介護保険内サービス、保険外サービスを柔軟に組み合わせて提供するための環境整備が、着実に進行しています。

自治体のローカルルールで、提供困難だった混合介護

介護保険が適用されるサービスと、適用されない保険外サービスを併せる混合介護は提供する際、両サービスに「明確な区分」を設けるよう定められています。しかし、「何をもって明確な区分とするか」という具体的な解釈は、自治体によって異なるとの指摘があり、丁寧に説明する、エプロンや名札を付け替える、いったん家から出るなどのローカルルールが存在するといわれています。

今回の厚労省、経産省による対応方針発表は、2017年に閣議決定された「規制改革実施計画」に基づいたもの。この計画では、混合介護に関わるルール整備を行ったうえで、2018年度上期中に「一覧性や明確性を持たせた通知」を発出することとされていました。

訪問介護の分野では、「明確な区分」の具体的なあり方として以下のようなものが挙げられています。

<事業者>

  • 保険外サービスの内容を文書として記録する
  • 利用者に対し、あらかじめ文書で説明し、同意を得る
  • 利用者の認知機能が低下している恐れがあることを踏まえ、丁寧に説明して利用者が別サービスであることを認識できるようにするなど、両サービスの区分を理解しやすくなるような配慮を行う
  • 消費者からの苦情・相談窓口の設置などの措置を講じる

など

 

<ケアマネージャー>

  • 保険外サービスの情報をケアプランなどに記載する

混合介護の「明確な区分」の問題点は、それぞれのローカルルールの善悪というよりも、バラバラのルールのもと運用されているせいで事業者が理解しにくいこと。厚生省らによる通知で、ルールの統一化が進むことが期待されます。

「同時一体的な提供」はひとまず禁止に

混合介護をめぐっては、「同時一体的な提供」を許可するべきかどうかという議論も行われています。これが可能になると、「訪問介護の枠組みで利用者の食事を用意するとき、同居家族分の料理も一緒に作る」など、より効率的なサービスの提供ができるようになるという主張があります。

しかし、今回の発表では、同時一体的な提供については両サービスの区分が難しいことから、「提供不可である旨を明示する」とされました。混合介護の活性化を求める人ならば、「待ったがかかった」と捉えるかもしれません。

ただ、厚労省らは「規制改革実施計画に基づき、2018年度においても引き続き検討する」としており、あくまでも段階的に取り組みを進めていくために、ひとまず判断を先送りしたような形になっています。同時一体的な提供には「自立支援・重度化防止の阻害」「保険給付増加の呼び水」などのリスクがあると考えられており、一気にことを進めるのは困難と見たのではないでしょうか。

なお、混合介護に関しては、「特定の介護職員による介護サービスを受けるための指名料」「繁忙期・繁忙時間帯の時間指定料として自費負担による上乗せ料金」などについても検討が行われており、これが可能になると、より柔軟な価格設定ができるようになります。

現在はまだ各種現行ルールの整理が行われている段階ですが、将来的には介護サービスのあり方が大きく変わる可能性が考えられます。