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【保険外サービス展2017】寝たきり高齢者が、目の動きで意思表示できるアプリ「RICANUS(リカナス)」

2017年2月13日 ニュース 介護一般

【保険外サービス展2017】寝たきり高齢者が、目の動きで意思表示できるアプリ「RICANUS(リカナス)」

1月末、東京ビッグサイトにて「保険外サービス展2017」が開催。介護保険制度の枠組みにとらわれず、自由な発想で高齢者の介護、生活支援に取り組んでいる事業者たちがブースを出展していました。

今回は、寝たきりの高齢者が視線の動きだけでリアルタイムにコミュニケーションできるアプリを開発したデジタリーフをご紹介します。

目をマウスカーソルのように使ってコミュニケーション

デジタリーフはWebサイト制作や業務システム、アプリケーション開発などを手掛けている東京都江戸川区の企業。その多角的なIT関連事業の一角を担っているのが、2016年3月にリリースされたコミュニケーション支援システム「RICANUS(リカナス)」です。

同システムが想定しているユーザーは、重度の寝たきり状態で思うように身体を動かすことができない高齢者や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者。医療、介護現場向けの特殊な製品ではあるものの、iPad、iPhoneに専用のアプリをインストールして使用する方法を採用しているため、導入に必要な端末のコストが低く抑えられています。

介護を受けている方の顔の前にホルダーを使ってiPadを固定し、そのカメラから目の動きを検出。端末に直接触れることができなくても、視線でマウスカーソル代わりの丸いマークを操作できる仕組みになっています。画面には「トイレ」「お風呂」「身体の調子」などのボタンが表示され、少し長めにまばたきをすることでクリックできます。この情報は、身の回りの世話を担当している家族や介護士のiPhoneにメッセージとして送信され、「あ、トイレに行きたいんだ」「体の調子が悪いのかな?」と遠隔地にいながらにして状況を把握することができます。また、ボタンの内容は簡単に設定できるようになっており、高齢者に合った任意のフレーズに変更することが可能です。

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デジタルに不慣れな高齢者にも優しい、シンプルな画面構成

一口に説明してしまうならば「変わった操作方法に対応している、簡単なメールの送受信システム」といったところですが、高齢者にIT機器を使ってもらう場合、もっとも課題になりやすい点はその難易度でしょう。幼いころからパソコンや携帯電話を使っている若い世代と違い、高齢者にとってデジタルの世界は踏み込みにくいはずです。

この課題の解決に役立っていると思われるのは、先に述べたボタンの存在。画面はそれ以外の要素がほとんどないシンプルなデザインになっており、操作方法であれこれと迷いにくい作りです。このため、送れるメッセージもかなりシンプルで、複雑な文章を入力するのは困難です。たとえば「お散歩」のボタンを押すと、iPhoneに「お散歩」とだけ送信されます(文章を作成することもできますが、ITが苦手な方には馴染めないかもしれません)。

ただ、iPhone側からは通常のメールと同じ要領で入力でき、双方向通信機能も用意されているので、細かなニュアンスを確認することは可能です。「分かりました。今すぐ行きますか?」「手が空いていないので、少しだけ待ってください」といった具合にiPhoneから送ると、iPadにそのメッセージと「はい」「いいえ」のボタンが表示されます。この選択結果は、再びiPhoneに送信されます。

ブース担当の方の実演では、この一連のやりとりにかかった時間は1分程度。介護者が席を外しているあいだに発生した問題やお願い事を教えてもらい、即座に対応するというナースコールのような用途には十二分に役立つのではないでしょうか。なお、「RICANUS」は指による操作にも対応しており、「付きっきりで見守りできない」「大きな声が出せないため、付近にいても様子が分からないことがある」といったニーズにも応えてくれるはずです。

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