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【保険外サービス展2017】働き手のやり甲斐を考え、人手不足の介護業界に一石を投じる介護旅行サービス

2017年2月8日 ニュース 介護一般

【保険外サービス展2017】働き手のやり甲斐を考え、人手不足の介護業界に一石を投じる介護旅行サービス

1月末、東京ビッグサイトにて「保険外サービス展2017」が開催。介護保険制度の枠組みにとらわれず、自由な発想で高齢者の介護、生活支援に取り組んでいる事業者たちがブースを出展していました。

今回は、20年以上にわたって介護旅行サービスを手掛けている「あ・える倶楽部」をご紹介します。

人材育成から、低価格なサービス提供まで一連の体制が整っている介護旅行分野

東京都渋谷区の企業・SPIが運営する「あ・える倶楽部」は、トラベルヘルパー(外出支援専門員)が高齢者の外出をサポートする介護旅行サービス。心身の状態や希望などに合わせたプラン設計が可能で、日帰りから海外旅行まで柔軟に対応しています。

ブース内には、同資格の認定講座を行っているトラベルヘルパー協会や、介護に加え「ロボケア」「トラベル」といった関連分野について学べる日本福祉教育専門学校のパンフレットが。また、トラベルヘルパーのマッチングサービス「アエルズ」(ベビーシッターのそれに類似したもので、インターネットで依頼者と働き手をつなぐ)も紹介されていました。これらの各種事業によって人材育成から、価格を抑えたサービス提供までの一連の流れを実現しているのだといいます。

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質の高いサービスは高齢者の悩みに加え、人材不足も解消する?

ブース担当の方は「わたしたちは嘘をつきたくないんです」と強い信念をにじませつつ、自身の考える介護業界の未来像について話してくれました。

これまでは介護旅行分野に目を向ける事業者があまりおらず、トラベルヘルパーの典型例は「普段の業務に不満を抱いているケアマネージャーが、介護旅行を通じて高齢者に本当にしてあげたいことをする」「そうしてモチベーションを取り戻し、また普段の業務に戻る」というものだったそう。介護の理想と現実の狭間で悩み、疑問を感じている働き手の受け皿になってきたというわけです。

しかし、近年、介護業界が人手不足をはじめとした問題に向き合うようになったことで風向きが変わり、関心を示す事業者が増加しているのだといいます。それによって、従来は個人規模でしか行えなかった取り組みが、法人規模に拡大されました。たとえば、日本福祉教育専門学校には日本トラベルヘルパー協会と共同して授業を行う「トラベルケアプログラム」があり、専門的な知識を持った若者が毎年排出されています。現時点で人材が揃っているのは東京周辺のみとのことでしたが、安定した人材育成能力を追い風に、介護旅行サービスは全国に普及していくかもしれません。

少し話は飛躍しますが、ブース担当者は”働き手が納得できるサービスを提供しなければ、優秀な人材の確保はできない”という考えを持っているらしく、「介護業界は若者に対し、この仕事の悪いところや辛いところを隠して、良いところだけをアピールしてきた節がある」と同業界の人材育成、雇用の方法に警鐘を鳴らします。

先に述べたように、介護業界には、そのあり方に疑問を抱いている働き手が少なからず存在し、自分の働く場所を選びやすい売り手市場が続いています。そして、政府が打ち出している保険外サービス市場の拡大方針により、介護旅行のような少し変わった事業も注目を集めやすい状況になっています。このような状況下で優秀な人材を確保するためには、これまで通りの介護事業にとどまらず、「やりたいことができそう」「ここなら働きがいがあるだろう」と思ってもらえるサービスを提供していく必要があるのではないでしょうか。

取材の終わり際にブース担当者が発した「わたしたちは嘘をつきたくないんです」という一言からは、高齢者のより良い暮らしを実現することで、働き手も自己実現できる体制を作りたいという気持ちが込められているようでした。

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