ページトップへ戻る
  • ゲームセンターが介護業界を救う? 介護レクに役立つアーケードゲーム
  • 読み物
  • ゲームセンターが介護業界を救う? 介護レクに役立つアーケードゲーム

ゲームセンターが介護業界を救う? 介護レクに役立つアーケードゲーム

2018年1月15日 コラム 介護レク

ゲームセンターが介護業界を救う? 介護レクに役立つアーケードゲーム

子どもを中心に、人々の心を捉えて離さないゲーム。ここ数十年のあいだ、「ゲームばかりうまくなって……勉強も同じくらいまじめにやってくれたらいいんだけど」という親の悩みは、絶えていないのではないでしょうか。

しかし、ゲームは決して悪いものではありません。一時期、「ゲーム脳」という言葉が流行しましたが、一部の作品には脳を活性化する効果があることから、介護の世界では認知症予防に活用する動きが進んでいます。今回は、ゲームセンターのアーケードゲームを利用した事例をご紹介します。

クレーンゲームは高齢者の強い味方?

ゲームセンターなどで長年にわたり、人気を博しているクレーンゲーム。広く「UFOキャッチー」と呼ばれていますが、これはセガゲームスの商標のため、一般名称としては正しくありません。

クレーンゲームの遊び方は、比較的簡単。少数のボタンを使って、クレーンを狙いの位置に移動させ、筐体内の景品をつかみ取るだけです。しかし、高い空間把握能力や工夫が求められるため、難易度が低いわけでもありません。日頃から親しんでいる若者でもうまくなるために練習したり、「攻略法」を知ろうとしたりするほど、シンプルで楽しみ甲斐のあるゲームなのです。

その面白みは高齢者にも伝わっているらしく、日本クレーンゲーム協会の調査によると、60歳代以上の約半数がクレーンゲームに興味があるとのこと。孫をはじめとする親族と楽しむ人がほとんどですが、「景品を取る」ことの喜びを感じる人が多いそうです。

おそらく「周囲の人がやりたがるから、一緒にやる」という消極的な動機ではなく、「自分が楽しめることを、親しい人とする」という積極的な動機で遊んでいるのではないでしょうか。よく考えてみれば、若者がゲームセンターには行くときも、友人などを連れていることが多いものです。

クレーンゲームは年齢に関係なくプレイできるだけでなく、介護予防などに役立つ可能性もあります。諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏によれば、同ゲームをするとき、人間は脳の前頭葉で計画を立て、頭頂葉で空間を認識しているといいます。筆者が調べた限り、脳科学に即した大規模な調査はまだ行われていないようですが、近年は、脳が活性化する効果があると考えられることが多いようです。

YouTube上には、デイサービス施設「仙台フィンランド健康福祉センター」でクレーンゲームが活用された事例が。ある高齢者が施設内に設置された筐体をプレイしていると、そこに別の高齢者が様子を見にきています。

きっと、親しい人とゲームセンターに行った経験のある人にとっては、おなじみの光景なのでは? 他の世代同様、高齢者も他人のプレイに一喜一憂してしまうものなのかもしれません。クレーンゲームは1人でプレイするものですが、人間関係が深まる効果も生まれそうです。

もぐら叩きなどのアーケードゲームも介護を手助け

クレーンゲーム以外のアーケードゲームでも、介護レクリエーションなどに利用することは可能です。各社が介護施設向けの貸出サービスなどを打ち出しており、例えば、「もぐら叩き」のように体を動かすものも存在します。

山形県のデイサービス施設「笑顔のたね」の事例では、イスに座り足を軽く上げた状態で足の裏で叩いてプレイする、少し変わったもぐら叩きゲームを紹介しています。運動のほか、反射神経が試されるゲーム内容から脳の活性化も期待できそうです。

広く愛されるゲームが、介護施設の魅力を高める可能性も

ゲームは年齢や性別を越えて、愛されている娯楽の1つです。高齢者にとっては頭や体を使うきっかけになるうえ、孫や同じ施設の利用者などと共通の話題を持てる可能性もあります。

「アーケードゲーム×介護」という組み合わせにはギャップがあり印象的なため、介護施設の“売り”になる可能性も考えられます。コスト面などでの問題もあるはずですが、導入を検討する価値はあるのでは?