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要介護状態に陥る原因の約4割は、生活習慣で解消できる! 介護予防における食事と運動の重要性

2016年11月29日 コラム 高齢者の食事

要介護状態に陥る原因の約4割は、生活習慣で解消できる! 介護予防における食事と運動の重要性

日本人の健康寿命と平均寿命の差は、平均で9年。「高齢者になっても健康を保ち、自分のことは自分でできる状態を維持したい」と自立した生活を望む人は多いものの、約10年という長い期間を介護を受けながら過ごすのが一般的です。

超高齢化社会を迎えた日本では財政状況が厳しくなっていること、社会問題化していることを理由に、介護予防に力を入れる流れが起こっています。では、介護予防で重要になるポイントは、いったいどこにあるのでしょうか。今回は、切っても切り離せないテーマである「食事と運動」に焦点を当てて解説していきましょう。

筋肉量が減少して転倒、骨折…… 高齢者が要介護状態に陥る負のスパイラル

高齢者はどのようにして、要介護状態に陥っていくのでしょうか。脳卒中や関節疾患、認知症、転倒による骨折をはじめとして、原因はいくつも挙げられます。ですが、そのうちの約40%は、加齢に伴う身体や心の変化で起こる負のスパイラルによって発生しており、生活習慣を改めることで予防できると考えられています。

高齢者は要介護状態になる前に、「フレイル」と呼ばれる移行段階を経験するのが一般的です。これは心身の機能の変化を包括的に捉える概念で、具体的には以下のような状態を意味しています。

  • フィジカル・フレイル:体重減少、体力低下など
  • メンタル・フレイル:気力減退、認知機能の低下など
  • ソーシャル・フレイル:閉じこもりなど

ここから、さらに筋肉量の減少(サルコペニア)が進み、転倒などのトラブルが発生。骨折して要介護状態に陥るというのが、典型的なパターンです。このため、介護予防では決定打となる事故が発生しないように、運動機能を維持・向上させることが目標となります。

運動とともに欠かせないバランスの取れた食生活

「では、とにかく運動してもらうようにすればいいのか」というと事態はもう少し複雑で、解決策としては片手落ち。なぜなら、高齢者にとってバランスの取れた食事をとることは難しく、低栄養に陥りやすいのです。その原因は多面的で、一筋縄にはいきません。

  • 身体的な要因:加齢による筋肉量の低下で必要なエネルギー量が低下する、唾液、消化液の分泌量の減少、味覚や嗅覚の減退で食事が楽しめなくなるなど
  • 精神的な要因:身近な人の死を経験する、身体の衰えを感じるなどの喪失体験により、気力が減退する
  • 疾患などの影響:腎機能の低下による食欲不振、義歯や口腔内の異常、食欲不振につながる治療薬の副作用など

また、身体機能が低下して家事に困難さを覚えるようになると、炭水化物を中心とした単調な食生活に陥りやすくなります。そうすると、たんぱく質やカルシウム、ビタミンといった健康な体づくりには欠かせない栄養素が不足して、運動機能が低下し……と、先ほどの負のスパイラルにつながっていきます。

つまり、「バランスの取れた食事をしないと、身体機能が低下する」「身体機能が低下すると、バランスの取れた食事が難しくなる」といった具合に、食事と運動は介護予防の両輪を成しているのです。

介護保険外サービスで、デイサービスの利用時間外にも介護予防を

デイサービスでは身体の状態に合わせて食事を提供する、身体機能に働きかける、閉じこもりにならないようにするなどの介護予防が行なわれています。しかし、食事や運動は日々の積み重ねが大切であるため、利用時間外の対策がおそろかになると十分な効果を発揮できません。

運動と食事は健康だけでなく、高齢者のQOL向上という観点から考えても取り組むべき課題です。施設での取り組みにプラスして、運動のサポートや持ち帰り弁当といった介護保険外サービスを提供することで、高齢者のより良い暮らしが実現するのではないでしょうか。