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介護で高まる配食サービス需要 フレイル(虚弱)対策に行政も活用方針

2017年4月24日 ニュース 介護行政の動向 高齢者の食事

介護で高まる配食サービス需要 フレイル(虚弱)対策に行政も活用方針

高齢者の健康づくりにおいて欠かせない食事。しっかりとした栄養摂取、食欲の維持などが求められる一方で、買い物や料理が難しいケースが少なくないことから、介護における課題のひとつと考えられています。

その解決を目指し、厚生労働省は2017年3月末、配食サービスの普及に向けた取り組みを全国の自治体に求める通知を行いました。今後、高齢者の食環境はどのように変化していくのでしょうか。

配食サービスでフレイル(虚弱)を予防・対策し、高齢者の健康づくり

通知の背景にあるのは、前年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」。ここでは「戦後最大の名目GDP600兆円」「希望出生率1.8」とともに「介護離職ゼロ」が大きな目標として掲げられました。そのための施策として、高齢者を支える家族の介護休暇利用率を向上させること、長時間労働の是正などが示されています。

同時に必要視されているのが、高齢者の健康寿命延伸に向けた取り組み。配食サービスに期待されているのは、適切な栄養摂取でフレイル(虚弱)を予防・対策する役割です。2025年が目処とされている地域包括ケアシステムを構築するためにも、自宅でバランスのとれた食事を取れる環境が重要だと考えられているようです。

このような政府方針を受け、厚生省は7月から配食サービスのあり方について検討を開始。翌2017年3月末に、望ましい献立の作成方法や、摂食嚥下機能が低下した高齢者への対応などについて記載した事業者向けのガイドラインを発表しました。

今回の通知は、そのガイドラインの普及に努めるよう自治体に要請したもの。また、「介護サービス情報公表システム」などを通じた情報提供を進めていく予定であることも明らかにされています。

80歳以上の高齢者による利用が多く、さらなる市場拡大が予想される配食サービス

「介護予防のためには栄養管理が大切」というのはかねてから知られていることですが、なぜ行政は配食サービスの活用を打ち出したのでしょうか。

65歳以上、75歳以上を対象とした内閣府の意識調査(2012年度)によれば、両年齢ともに40%前後が「外食」「店で売っている弁当やお惣菜」を普段の食事に利用。配食サービスは65歳以上が3.9%、75歳以上が5%と低調です。

しかし、「自分で食事の用意ができなくなったり、用意してくれる人がいなくなったりした場合」の利用意向をたずねると、65歳以上の58.4%、75歳以上の50.9%が配食サービスを希望。これらの年齢層では「将来的に利用するもの」として考えられているようです。「医薬基盤・健康・栄養研究所」による調査(同年度)でも、同サービスの利用者のほとんどが80歳以上、独居、夫婦のみの世帯とされており、同様の傾向が伺えます。

さらに、2009~2014年度までの6年間で、市場規模が約1.8倍に拡大しているという民間の調査などもあることから、厚生省は「配食事業の市場規模は一層拡大していくものと考えられる」と結論づけています。このような介護業界のニーズの変化に合わせた施策を実施すれば、高い実効性が期待できるでしょう。行政が配食サービスに着目するのは、自然な成り行きなのではないでしょうか。

「介護サービス情報公表システム」などによる情報提供も推進

配食サービスに関する情報提供には、インターネット経由で各地域で利用できる介護サービスについて調べられる「介護サービス情報公表システム」などが活用される見込みです。

同Webサイトでは、2015年から地域住民が生活支援サービスなどの情報も閲覧することが可能になっており、介護全般の情報が得られるプラットフォームとして発展させる方針のようです。