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IT技術の導入で介護業界が激変!? 数年後にはAIがケアプランを作成している可能性

2016年12月12日 コラム 介護行政の動向

IT技術の導入で介護業界が激変!? 数年後にはAIがケアプランを作成している可能性

介護費は2014年度、ついに約10兆円に到達しました。団塊の世代が75歳以上になる2025年度には介護需要が一気に増加し、約20兆円にまで達すると見られています。さらに同時期の介護業界では、30万人規模の人材不足が発生していることが予測されています。

政府が今後の経済成長に向け、検討を進めている「未来投資会議」で、このような問題を回避するためには、数年以内に介護業界で大きな変化を起こす必要があるという提案がなされています。高齢者支援のあり方は今後、どのような歩みを見せるのでしょうか。

介護業界が抱える2つの問題:自立支援の促進と人材不足の解消

現在の介護業界が抱えている問題とは、いったい何でしょうか。

まず、日本人の平均寿命と健康寿命のあいだに約10年のギャップがあり、多くの人が長年にわたって介護を受けなければならないという点が指摘できます。反対に高齢者の自立支援を促進し健康寿命を伸ばすことができれば、介護費を減らすことが可能になります。

そもそも介護保険制度はそのような趣旨からスタートしたのですが、現在の介護サービスは入浴、排泄、食事といった介助が中心となっています。本当に自立支援が目的になっているとは言いがたい介護サービスばかりが提供される状態に陥っているのです。これは高齢者のQOLにも影響するため、確実に改善しなければなりません。

人材不足も深刻です。日本における高齢者の割合は年々大きくなっており、これに合わせて介護需要も増加すると見られています。また同時に、少子高齢化による生産年齢人口割合の縮小が起こっており、介護業界で働ける人材が少なくなっています。

人材不足は人口動態に基づく必然的な成り行きで、他の業界でも発生している問題です。「介護業界=ブラック」という印象を払拭して、働きたい人を増やすというアプローチだけでは解決できません。

介護ロボット、AIなどの活用に向け、2018年には大規模な変革

自立支援の促進と人材不足の解決。「未来投資会議」ではこの2つを解決するために、介護報酬改定が行われる2018年に新たな仕組みを導入することを提案しています。中心的なものを紹介しましょう。

  • 自立支援によって高齢者の要介護度を改善させた事業所に、インセンティブ措置を導入する
  • ロボットを活用した介護の効率化・負担軽減の効果を検証し、介護報酬や人員、施設基準の見直しを行う
  • 介護記録のデータの標準化、入力負担軽減技術の開発
  • データ利活用基盤の構築

特徴的なのは、IT技術の導入を前面に押し出している点でしょう。他の業界と比べて介護業界はIT技術の導入が遅れていると言われていますが、それをベースに働き方を変えていく狙いがはっきりと打ち出されています。

以上のような取り組みを実現させるためには、2017年秋までに自立支援に効果がある介護の手法を、構造化・標準化しなければならないと考えられています。いわば介護業界のスタンダートを定めることで、エビデンスに則った自立支援が実現できれば、ロボット、AI(人工知能)をはじめとした技術の導入が容易になるというのが1つの理由でしょう。2020年までに、AIを活用したケアプラン作成などを制度に組み込むことも検討しているようです。

また、標準的な取り組みを行わない事業者にとってディスインセンティブになる仕組みを用意する可能性にも言及しており、2017~2020年までの3年間は介護業界の激動期となることが予測されます。介護に対する考え方から、それに基づくサービス内容、事務作業のやり方、仕事道具まで、ありとあらゆる環境が変わっていくでしょう。