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混合介護の規制緩和で訪問介護、デイサービス事業者に訪れるチャンスとは

2017年4月10日混合介護

混合介護の規制緩和で訪問介護、デイサービス事業者に訪れるチャンスとは

介護保険が適用されるサービスと、適用されない保険外サービスを組み合わせる混合介護。規制緩和に向けた動きが進み、実現した場合、介護業界はどう変わるのでしょうか。

今回は、混合介護の導入でチャンスが訪れるであろうサービスの具体例を挙げていきます。

訪問介護のキーワードは「まとめて効率化できる仕事」「専門性の高い人材」

混合介護は一般的に、保険給付の対象となるサービスを支給限度額以上に利用する「上乗せ」、独自の保険外サービスと併用する「横出し」の2種類に分けられます。規制緩和の方針として考えられているのは「保険内外サービスの同時一体的な提供」「サービスの質に応じた料金設定(料金の自由化)」を可能にすること。いずれも介護事業がより自由に行える仕組みづくりを目指したもので、大まかに言えば後者の横出しが拡充されるようなイメージです。

同時一体的な提供が可能になると、たとえば、訪問介護で利用者のために料理、洗濯、買い物代行などを行うときに、合わせて利用者ではない家族の分も行えるようになります。これらのサービスはまとめることで効率的に提供できることから、利用者や家族の利便性向上、事業者の新たな収入源確保につながるのではないかと期待されています。

遠方への買い物代行や大掃除などは手間がかかるため、訪問介護とセットにすることが難しいと思われますが、短時間で終わる草むしりや植物の水やり、嗜好品の買い物などと組み合わせることも考えられそうです。

サービスの質に応じた料金設定の具体例として考えられているのは、希望した利用者からホームヘルパー(訪問介護員)の指名料を追加料金として徴収すること。全国に先駆けて混合介護のモデル事業が展開される東京都豊島区では、1時間500円程度にすることが検討されています。看護師、あん摩マッサージ指圧師といった別の資格を持つ人材が対象になる見込みで、先の同時一体的な提供のように、訪問介護の際に専門性を活かした保険外サービスを提供するような形になるかもしれません。

これらの規制緩和と相性が良いサービスの一例として挙げられるのは、家政婦です。基本的には家事代行などを行う職業ですが、ホームヘルパーの資格を持つ人材を用意し、在宅介護向けのプランを用意している事業者が多く、かねてから保険内サービスに捉われないアプローチをとっています。同時一体的な提供の解禁で「訪問介護+各種家事」という形が可能になれば、これまで全額自費だったサービスが一部保険給付の対象となり、利用料金が一気に低下するかもしれません。反対に、ホームヘルパーを本業としている人たちが”家政婦化”してニーズを獲得することも考えられます。

保険外サービスを提供するチャンスが多いデイサービスでは、ルールの見直しが影響大

デイサービス(通所介護)では、どのような変化が起こるのでしょうか。こちらでも同時一体的な提供により、デイサービス中に買い物支援、ネイル、マッサージをはじめとしたリラクゼーションサービスといった保険外サービスを提供することが可能になるかもしれません。しかし、それ以上に影響が大きいと思われるのは、規制の見直しに伴う「ルールの明確化」です。

混合介護自体は介護保険制度の発足時から認められているのですが、事業者にさえ理解できないほどルールが不明瞭で、乗り出しにくい現状があります。たとえば、デイサービスでは送迎やデイサービスの前後にも保険外サービスを提供するチャンスがあり、混合介護に取り組みやすい業態です。しかし、それらは合法でしょうか。それとも違法なのでしょうか。

この点については、保険者の解釈に委ねられている場合が多く、各サービスの可不可が異なることもあります。なので、規制緩和の準備作業として、理解しやすいルールに見直されるだけでも、施設で高齢者にお弁当を手渡し、送迎バスで持ち帰ってもらう配食サービス、送迎の途中で行う病院への付き添いといった保険外サービスも導入しやすくなるはずです。また、ルールの明確化を通じて、全国的な統一が図られれば、自社でサービスを開発し、他の事業者との差別化を図ることも容易になるのではないでしょうか。